
ピアノを弾く姿勢や衣装、人によって異なりますよね。
とはいえ、特にクラシックでは、基本の正しい姿勢があります。
そして、ピアノを弾くときの姿勢や手の形は、弾くことへの身体の負担や疲れの度合いに直結します。
負担のない弾き方を自然に保てるようにすることで、何時間でも痛みや疲れを感じずに弾くことができます。
この記事では、ピアノを弾くときの自然な基本フォームの作り方を解説します。
もくじ / Table Of Contents
ピアノ演奏の前準備:自然に立っている状態に近い姿勢から
普通に立っているとき、あなたはどんな姿勢になりますか?
余計な力入ってないですよね。
背筋が伸びて、腕がラク〜に伸びている状態、それがそのまま、ピアノを弾くときの頭から肘までの姿勢です。

ピアノを弾く姿勢は、自然な姿勢に非常に近い状態です。
つまり、併せて「身につけるもの」に配慮することで、さらに左右バランスに無理のない演奏をすることができるようになります。
ピアノを弾く前の前準備:
・腕時計は外す:左右バランスを崩し、手首に余計な重みをかけてしまうため
・アクセサリーは外す:ブレスレットや指輪は指や手首の動きの妨げに。ネックレスやピアスも重みのあるものは避けることをオススメ
・服装への配慮::袖の長いものや手首周りにフリルのあるものは避ける。鍵盤と指の視野の妨げに。
・髪型への配慮:顔まわりに髪がかからないよう束ねる。左右の視野の妨げに。
・爪は切る:指にかからない程度に短く、指のカーブと同じように丸く整える
・ハンカチを身近に:鍵盤や肌双方に優しい吸水性の高い素材をオススメ。弾き心地を微調整できるように。
このように、まずは「余計なものを身につけない」状態で臨みましょう。
その上で、以降具体的に、手首や指の形について解説します。
腕の力を抜く:椅子は浅めに肩はダランと
腕に力を入れないでピアノ弾けるの!?不思議に思いますよね。
とはいえ実際、腕に力が入っていては細かな音を弾くことはできません。
そしてなんと、上半身のパーツを意識することで、腕の力を抜くラク〜な姿勢を作ることは可能です。
逆に、腕に力が入っていることで「腕が疲れる、腱鞘炎になる」など、身体の不調を引き起こしてしまうことにもなりかねません。

身体の骨や筋肉は頭から足まで全てつながっています。
腕に無理のない姿勢のヒケツ:
・椅子には浅くかける:足の付け根が当たる程度。半分立っている状態で重心は両足にかかるように
。目線はほぼ正面:頭を自然な状態に保つことで、胸を張り背中を伸ばす姿勢になる
・肩は上げない:まずは腕を伸ばして力が抜けている腕の状態を確認
このように、腕から肘までは、頭や背中、腰への力のかかり方を意識することで、無理のない姿勢を形成できます。
例えば、背もたれにつくくらい椅子に深く腰掛けたとします。
すると、まず、腰と背中は丸くな、重心は後ろに傾きます。
しかし、左右に広がる88鍵盤を行き来するには、重心は前に向く必要があります。
スキーやスケートボードなどで重心が後ろに傾くとバランスを崩しやすくなるのと同じです。
重心を前向きに座る姿勢を意識することで、あなたの演奏にも「ピアノに真摯に向き合う状態」を取り込むことができます。
肘を曲げる:腕の重みを妨げないラク〜な角度を
腕曲げるんだから絶対力かかるじゃん!!思いますよね。
もちろん、腕を曲げるには多少なりの力が必要です。
とはいえ、鍵盤までのラク〜な角度の感覚は、机や料理などの作業台に手を置く姿勢と非常に酷似します。
肘を張って高いテーブルで作業すると、格段に疲れますよね。

ピアノにおいては、上腕の位置を変えないまま肘から下だけを動かし、肘の角度を調整します。
肘に無理のない姿勢のヒケツ:
・腕に無理のない姿勢(ダランとさせた状態)の上腕はそのまま
・上腕を動かさずにラクな角度で肘を曲げて鍵盤鍵盤に指を乗せる
・鍵盤と体は指が届く程度に距離を開ける
・腕と鍵盤の姿勢に合わせて椅子の高さを調節する
つまり、鍵盤の高さは少し低め、目線が無理なく見下ろせるくらいを意識することで、自然な腕の形を形成することができます。
結果、前腕(肘から手首まで)の距離くらい、ピアノとあなたの距離は開きます。
さらに、鍵盤の位置は腰あたりに落ち着きます。
つまり、腕の形を基準にして椅子の高さを調節します。
小さな子供の場合、補助として足台を使うことも多いです。
これは、子供の背丈とピアノの高さにおいて重心を前に向くことを可能にする微調整です。
このように、上腕はダランとしたまま自然に手を鍵盤に乗せられる肘の角度が、ピアノとあなたの丁度良い距離を定めてくれます。
手首は平らに:指を動かすのにラク〜な高さを
手首って、平とかあるの!?思いますよね。
手首は、腕と手を繋ぐ場所です。手首を軸に、手は反ることも曲げることも可能ですよね。
前腕と手の甲が平らになるよう手首を自然な位置で伸ばすことで、ピアノを弾く際に格段に指は動かしやすくなります。

例えば上の画像では、手首の位置が「く」の字に盛り上がっています。
これは、鍵盤の位置に対し肘が低すぎる状態を示します。
また、身体の位置とピアノが近すぎて肘が横に張る、また腕に力が入っている可能性もあります。
この状態を補正するには、浅く腰掛けたまま少し椅子を引き、さらに椅子の高さを上げると良いでしょう。
また、ブレスレットやバングルは、手の重みを変えてしまいます。
さらに、袖が長くて手首が隠れてしまう服なども、健全な手首の形を確認する上で妨げとなります。
手首に無理のない姿勢のヒケツ:
・前腕・手首・手の甲が無理なく平らになるような高さに
・手首を隠すアクセサリーや衣服は避ける
・微調整は椅子を動かす
このように、基本動かせないピアノ、椅子の高さや位置を調整することで、あなたの姿勢を無理なく保つことは可能です。
手は水を掬う形:全ての指が白鍵に届く程度軽く曲げる
掬うって、手のひら上向きじゃんっっ。。思いますよね。
とはいえ、どちらかというと下に置くときよりも、上に向けるときの方が自然な手の形や丸みを作りやすいです。
自然な手の丸みの感覚を掴み、鍵盤に置く形に馴染ませることで、指が動かしやすい状態を整えることができます。

手のひらを上に向けた状態の指の先を見てみましょう。
その「指の先のフワッと丸い柔らかい箇所」が、ピアノの鍵盤を弾く箇所です。
つまり、指よりも爪が伸びていては、健全な指の形を保つことはできず、音もカチカチ爪が鍵盤に当たってしまいます。
従って、爪は短めに、指先のカーブに沿うように滑らかな状態に維持します。
爪やすりなどを使って、爪の切り口に角ができないよう工夫することも非常に効果的です。
指に無理のない手の形のヒケツ:
・指の先:水をくぐすような自然な丸みを作ったときの指先が、ピアノを弾く箇所
・指の位置:平らな白鍵に全ての指が無理なく乗る丸み
・爪:指を超えない長さで、指との境目はなだらかになるよう整える
ピアノを弾く手の形「卵を包むように」などと表現することも多いです。
少し指に丸みのある余裕は、手を広げて離れた音を弾くときのバネの余裕にもなります。
このように、無理のない手の形は鍵盤を行き来する指の動かしやすさに直結します。
おまけと応用:左右に広がる鍵盤の行き来
頭から指先までの形、あなたの準備はできたでしょうか。
とはいえ、あなたの指は左右5本、鍵盤は低音から最高音まで7オクターブ、左右に広がっています。
正しい姿勢で無理なく余裕のない体制を身につけることで、幅広い音域の行き来がスムーズに可能になります。

理想的には、どの音も同じ姿勢で弾くことができることです。
しかし実際には、右手は高い音を左手は低い音を同時に鳴らす曲は多いです。
椅子と鍵盤との距離、指のバネの丸み、そして肩を張らない腕の余裕、全てが、左右の平らな鍵盤を行き来するためのバッファです。
さらに、左右の視界を妨げる可能性のある要素はできるだけ排除します。
左右に広がる演奏のヒケツ:
・基本姿勢に潜む「バネ」の要素を活かす
・顔にかかる髪の毛はピンで止める、束ねるなど視野を塞がない工夫を
・顔まわりのアクセサリーは揺れのないものを
揺れのあるアクセサリーなどは、動きの感覚のリズムを乱します。
また、ネックレスにおいても重量感のあるものは首や肩の負担になります。
身体の負担や疲れの要素になるパーツを意識的に取り除くことで、曲の世界に没頭し、ピアノの演奏に集中することができます。
まとめ:腕から指までをラク〜に保てる姿勢や弾き方とは
これまで、ピアノ演奏の基本になる無理のない姿勢や形のヒケツを解説してきました。
・ピアノ演奏は、自然に立っている状態に近い姿勢から
・腕の力を抜くには、椅子は浅めに腰掛けて肩からダランと腕を伸ばす
・肘の角度は、伸ばした腕と鍵盤に触れる指先の中継地点
・手首は前腕と掌を平らにする分岐点
・水を掬うように全ての指が白鍵に届く指先は離れた音を弾く際のバネ
・高さや角度の微調整は、椅子の高さや位置で工夫
身体の骨や筋肉は頭から足まで全てつながっています。
頭から椅子への座り方までを意識することで、腕と手首と指もラク〜な姿勢を保つことは可能です。
快適な姿勢の先は、多大なる上達と、ストレスなくピアノの練習に時間をかけられる身体の好調です。

ぜひ、肩も腕もラクにした状態で心地よくピアノを奏でる快適な感覚、あなたも今日から掴んでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。