
楽譜を鍵盤で表現する。。。なんだか結びつかないですよね。
実は、楽譜、1音1音でみると、特に難しくなる傾向が強いです。
小節やリズム、音の高低などフレーズで捉えることにより、譜読みの質は格段に改善できます。
その、曲全体のイメージを持つキーになるのが冒頭の調号です。
私の場合、比較的シャープ曲よりフラット曲の譜読みがしやすいです。
なので、シャープ調の曲を弾くとき、ほぼ必ず調号のベース音階を弾いて耳と指を慣らします。
調号は、曲全体を司るベース音階の目印です。
この記事では、音階の不動ルールと、シャープ音階の仕組みをわかりやすく解説します。
もくじ / Table Of Contents
音階の仕組み:移動ドの法則はシャープにも適用できる!?
なんだ移動ドって!?なかなか耳慣れない言葉ですよね。
これは、何かの並行移動を考えてみるとわかりやすいです。

たとえば日本庭園。等間隔で、美しいほどに並行して複数のラインが並んでいますよね。
これを単純に「ドレミファソラシド」の音並びに適用します。

見事なまでに白鍵をひたすらなぞるハ長調の「ドレミファソラシド」。この音運びが全音階のベースです。
音階を構成する不変の法則:
・音階「ドレミファソラシド」の並び順は、常に「全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音」!
音階の仕組みを理解することにより、調号のしっくり度は極端に変わります。
調の順番、シャープ調は「トニイホロヘハ」、フラット調は「ヘロホイニトハ」と呪文のように覚えることも1つです。
とはいえまずは、ベースとなる半音と全音の音並びと耳触りしっかり捉えましょう。
調号の捉え方:1つ置きの法則はシャープに適用できる!?
ドレミファソラシドは、日本語読みで「ハニホヘトイロハ」、そんな常識が、音楽界の通例です。
また、そもそも音を変える記号、フラット(♭)は半音下げる、シャープ(♯)は半音上げる、という意味です。
調号の並びや音の変化特性を抑えることにより、曲の楽しみ方として音階色を加えることができるようになります。
たとえば幅跳びやジャンプ、人により飛び方や姿勢に違いはあるものの、皆向かう方向は同じですよね。

このオリジナルの意味、実はそのまま調号に繋がります。シャープ調の場合、シャープが1つ増えるごとに右上がりです。

とはいえ、短調(黄色)は、長調の1つ飛び下で常に音を下がる左側に移動します。
従って、シャープ調の場合、調(赤)は1つ飛びを飛び越えた先、短調は飛び越えた先から1歩戻る、ゆらゆらとゆりかご的並びになります。
ちなみに、フラット腸の場合は、フラットが1つ増えるごとに降りてくる並びになっています(※)。
(※)フラット調の法則は「ピアノ調号の覚え方:たった3つでスンナリ簡単!音階の法則」で詳しく解説しています。ぜひみてみてください。
シャープが付く順番:黒鍵の多い方から順ぐり右上がり!?
ぽんぽん1つ飛び!
右にスライドするごとに、シャープの数が増える調に自然に推移するシャープ調。
なんだかウキウキしますよね!
音階のベースとなるハ長調は、シャープ(♯)もフラット(♭)もつかない完全白鍵音階です。
そして、音階の基本はどこでも同じ「全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音」です。
つまり、調号の変化は、ざっくり黒鍵を音階に盛り込む工夫の極みです。
白鍵の澄んだ音に加え、黒鍵の優しい音色を取り込むことにより、曲の複雑さや煌びやかさは顕著に変化します。

これは、色の調合に類似する感覚です。色を混ぜるように、黒鍵音を自然に調に混ぜていきます。
そして、黒鍵と仲良くなる順序、これも、シャープの場合は右上がりです。

、、、となると、、、、⑥に??と思った方、いるかもしれません。
そうなんです。シャープ対象⑥の場合、白鍵ミの半音上がったシャープ先は白鍵の「ファ」です。
ところが、このファを起点とすると、隣の全音先は「ソ」、調合ソ#は適用できません。
つまり、シャープは基本的に黒鍵と仲良くなる⑤まで、6つ目以降の調は存在しません。
シャープ調の法則:
・シャープ(♯)の調はゆりかごならび!黒鍵と仲良くなるジャンプの長調と、ふっと一息つく1つ置き戻る短調が交互に並ぶ
・シャープ調は最大#5こまで!音階を捉えるには、シャープ数の多い5つの調から順ぐり降りてこよう
シャープの長調と短調、上がりたいのに上がりきれない。。。。。なんだか紛らわしいですよね。。。。
ということで、ざっくり発想転換!!
単純に登って#を増やしていけないならば、シャープの数の多い方から追いかけてみましょう。

すると!!!シャープは数の多い調から順に降りてくることで、音並びは自然に、シャープ数も順に減ってくる並びに落ち着きます。
さらに、シャープ調の場合、どの調でも白鍵音が起点です。それだけでも、調合への苦手感、少し和らぎますよね。
シャープの数と調号の名前:
・♯5つ(ファ・ド・ソ・レ・ラ):ロ長調
・♯4つ(ファ・ド・ソ・レ):ホ長調
・♯3つ(ファ・ド・ソ):イ長調
・♯2つ(ファ・ド):ニ長調
・♯1つ(ファ):へ長調
・♯なし:ハ長調
ちなみに、シャープ音と重なっっている短調部、呼ぶときは「嬰(えい)」を使います。
たとえばシャープ3つ、イ長調の短調は「嬰ヘ短調」です。
調号と音階:徐々にハ調に近づく帰着予兆と安定の音の運び
調号の推移、スンナリ腑に落ちたでしょうか。
くどいようですが、シャープ調・フラット調にかかわらず、音階の音並びは同じです。
ハ長で示した音並び「全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音」を忠実に再現します。

起点と着地が定まっている筋模様のように、シャープ調は、ハ調調に向かって着々と安定感を増していきます。
まずは、ハ長調をそのまま半音平行移動した、シャープ5つのロ長調です。

綺麗に無理なく黒鍵をなぞっていますよね。
さらに、半音下がり、黒鍵が多い分、少し音が柔らかく響きます。

続いてシャープ4つのホ長調。音階の「全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音」の並びは、わかりやすく同じです。

そしてシャープ3つのイ長調。移動ドでミとファ・シとドにあたるド♯+レ、ソ♯+ラの2箇所で半音が並びます。

かなり動きが落ち着いてくるシャープ2つはニ長調。音階の運び、だいぶ慣れてきたでしょうか。

そして、軽快なシャープ1つはト長調。移動ドでミとファにあたるシとドは半音並びそのままで、ほぼほぼなんの違和感もないわかりやすい音運びです。

そうしてたどり着く、シャープなしのハ長調。馴染みのソファにどさっと座ったような安心の響きです。
このように、シャープ調は♯記号の数が多い調から順に降りてくることで、スンナリスムーズのホーム、ハ長調にたどり着くことができます。
シャープ調に親しもう!調別名曲コレクション(シャープ編)
これまで、調の移動とシャープが増える順序、そして忠実な音階運びを確認してきました。
とはいえ、音階だけ覚えても、、、、、思いますよね。
調を意識して曲を聴いてみると、思い描く印象や雰囲気はかなり変わってきます。
私のイメージでは、シャープ調の音並びは、どの調も白鍵基盤であるからか、明快で安定的に聞こえる曲が多いです。
また、無邪気さやモダンな遊び心を取り込んだ曲が多い印象もあり、遊び感の中にも安定の白鍵魂が宿っているようにも感じます。

ということで、各調におけるクラシックの名曲、集めてみました!
シャープ調のクラシック名曲の例:
・♯5つ(ロ長調):カ・ンパネラ(リスト)、愛の夢(リスト)
・♯4つ(ホ長調):別れの曲(ショパン)、アラベスク1番(ドビュッシー)、月光1楽章(ベートーベン)
・♯3つ(イ長調):軍隊ポロネーズ(ショパン)、インベンション12番(バッハ)
・♯2つ(ニ長調):ガボット(ゴセック)、ジムノペディ(サティ)、G線上のアリア(バッハ)、カノン(バッハ)
・♯1つ(ト長調):主よ人の望みの喜びよ(バッハ)、白鳥(サンサーンス)
・♯なし(ハ長調):きらきら星(モーツアルト)、ボレロ(ラヴェル)
従って、安定的統一感の中にも、遊び心や軽快さを取り込んだ曲が多いです。
まずは#5つのロ長調。超絶技巧で有名なリストの名曲「愛の夢」がノミネートです。
華やかでなで色っぽくて、うっとり憧れますよね。
次いで#4つ、イ長調のクラシックの名曲は多いです。
まずはショパンの別れの曲。穏やかな出だしと中間の葛藤部、表裏双方を同じ調で艶やかに表現しています。
同じく#4つの、ドビュッシーのアラベスク1番、煌びやかさと余韻がしっとり沁みる美しい名曲です。
そして#3つのイ長調。バッハのインベンションの中でも優雅で華やかな1曲です。
安定感がます#2つのニ長調。初心者にも親しみやすい曲が増えてきます。
まずはゴセックのガヴォット。愛らしくも安定の4拍子、軽快で優雅な舞曲です。
それからサティの「ジムノペディ」。物憂げでありながら優雅でゆったり、アンニュな名曲です。
ハ長調とほぼほぼ違和感のない安定移動のト長調、サンサーンスの白鳥。オーボエなどの管楽器と弦楽器が交錯する壮大な名曲です。
そうして帰ってきたハ長調。技巧から穏やかな湖まで明るく愛らしく跳ねるシャープ調。
まずは、フルートの旋律が際立つラヴェルのボレロ。その壮大さは白鳥と通ずる曲風が感じられます。
曲調が少しずつ右上がりに、なだらかながら艶やかに変化していく自由さは、極めて魅力的です。
これまで、幻想的で壮大な曲を紹介してきましたが、とはいえ主軸のハ長調。〆はキラキラ星で!
※source: https://www.free-scores.com/
いかがでしたでしょうか。
このように、長調の曲は、変化に飛んだり、華やかさや煌びやかさが際立つ美しさを備えることは多いです。
シャープ(#)記号の「半音上がる」という意味をなぞってみても、浮き足立つような遊び心をイメージしやすいのではないでしょうか。
このほか、曲の中には、逆の雰囲気、同じメロディがサビに向けて音を上げるなど、曲の途中で調を変化させる技法もあります。
あなたの好きな曲の調を気にかけてみることで、曲の構成や調の魅力への理解を深めることに繋がります。
まとめ:シャープ調のヒケツは遊び心!逆の発想で降りてくる
これまで、シャープ調における調合の覚え方と長調音階、そして纏わる身近な名曲を紹介してきました。
シャープ調の不動3法則:
・シャープ(♯)の調はゆりかごならび!黒鍵と仲良くなるジャンプの長調と、ふっと一息つく1つ置き戻る短調が交互に隣合わせ
・音階は逆の発想:シャープ調の音階は、シャープ数5つから始めよう。順ぐり降りてくると、♯数の減を経てハ長に帰着
・音階の法則:スタートが変わっても音の運びは同じ!ドレミファソラシドの絶対移動
シャープ調の音階や曲の特徴、ざっくりイメージできたでしょうか。
全ての曲には、調号がついています。
あなたの好きな曲、気になった曲の調に着目することで、その曲風の理解度は格段に高まります。
一方で、シャープやフラットが多くて複雑に見える楽譜、あえてハ長調に転調することで、演奏しやすくしているアレンジメントも多いです。
調のイメージと曲の雰囲気は相互関連しています。

ぜひ、調を意識しつつ、あなたのお気に入りの名曲、ぜひ試弾してみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。