
なかなか弾けるようにならない、、、そんな悩みを抱えたこと、ありますよね?
いつもつっかえるところは同じ。何回弾いても弾けるようにならない。。。
私の場合、弾き始めには指の練習をして、それから曲の練習、ざっと毎日2時間。
なのに、何がうまくなっているのか実感できない、、なんてこともありました。
でも、できないところがわかってくるにつれ、時間が短くても集中的に練習し、上達を実感できるようになりました。
食べ物に好き嫌いがあるのと同じように、演奏者により、また曲により、あなたの苦手な箇所は異なります。
この記事では、タイプ別に効果的な練習アプローチを紹介します。
もくじ / Table Of Contents
譜読みのパターン!?リズム感とリズム練習の違い
なんか弾けない、、、、とはいえ、何がどうできないですか?
譜読みには、いくつかパターンがあります。
そして、あなたが目指す目的にあった練習アプローチにより、上達の実感は確実に変わります。
譜読みのパターン:
・流し弾き:なんとなく曲風を掴むためにサラッと弾いてみる弾き方。初見で弾くことも多い
・指練習:ハノンなど、曲奏とは別に指を慣らすことを目的とする弾き方。リズム練習を取り込むことが多い
・曲を仕上げる練習:仕上げたい曲に特化して磨き上げる弾き方。曲の特性や強弱などさまざまな要素を含む
結局のところ、曲を仕上げるには、指に捉われず「曲全体を表現する余裕」が必要です。
例えばバレエやダンス。立つ位置、腕の高さ、顔の角度、スカートの丈、目線や表情。

統一感と美しさを醸し出すのは、パーツパーツが徹底された先にある相乗効果です。
演奏では、全体の仕上げが「リズム感」であり、1つ1つのパーツへのこだわりが「リズム練習」に該当します。
あなたが直面しているのは、サラッと仕上げる初見力ですか?
それとも、曲の仕上げや、とある曲特定パーツの仕上げですか?
できない、にはそれぞれパターンがあります。以降で、パターンごとの効果的なアプローチを解説します。
なにができない!?リズムパターンが効果的な箇所とは
リズムパターンの練習、効果的に取り入れることにより「できない」は克服できます。
とはいえ、どうできない??。。。まずは課題の理解です。

あなたの「できない」はどこにありますか?
できない? のパターン:
1)音とりができない
2)指が回らない、もつれる
3)音の粒が揃わない
4)つっかえる箇所がいつも同じ
5)左右がうまく合わない、合わせられない
6)左右どちらかに気を取られて弾ききれない、または弾き直さないと弾けない
7)音はとれるが音の質がうまく表現できない
8)全体的な曲の表現がまとまらない、音や指に気を取られて全体の流れを創る余裕がない
この中で、ざっくりリズムパターンが効果的な場合とは、2)の「指が回らない」ケース、3)の「音の粒が揃わない」ケース、それから6)の「気を取られて弾ききれない」ケース、さらに、7)の「音の質の表現」が該当します。
結構多いですよね。
とはいえ、なんでもかんでもリズム練習をすれば上達する、ということでもありません。
リズムパターンの練習は、まず箇所を特定し、その上で「どうリズムをつけるか」です。
あなたの「できない」箇所、特定できましたか??
効果的なリズムパターンとは!?音の長さと速さを変える
あなたはリズムパターン、どのくらい思い浮かびますか?
リズム練習とは、何もリズムをつける場合だけではありません。
リズムをなくして平坦にしたり、速度を変えることも、リズムパターンとして効果的です。

とはいえ、ただただリズム練習しても、残念ながら改善は見込めません。
指の動きや手首の力加減を意識することで初めて「スラスラ弾けるようになる」感覚を掴むことができます。
リズムパターンの例:
・付点をつける:付点の音と次の半分の速さの音で音の長さに寒暖をつけ、動きの苦手な指を馴染ませる練習
・3連符をつける:長い音と同長の3連符で音の長さに濃淡をつけ、動きの苦手な指を馴染ませる練習
・離して弾く(スタッカート):指を弾くように動かすことで、動きの苦手な指を馴染ませる練習
・速度を落とす:音のつながりを意識し、指遣いに馴染ませる練習
・リズムを無視する:もつれがちな指を独立で動けるように馴染ませる練習
・音を抜く:音移動が複雑など、つっかえ箇所を素材分解し、移動の特徴を掴む練習
・和音にする:音響と、音とりとができる手の形を掴む練習
リズムパターンは、古典のモーツアルトやハイドンなどの曲でたどってみると、その効果ががわかりやすいです。
例えば、有名なハイドンのソナタXVI35(作品30−1)、明快で美しいながらも変化に富み、くるくる表情が変わります。
※source: https://imslp.org/
以降、具体的な部分練習箇所、およびそれぞれ効果的なリズムパターンを紹介します。
付点をつける:3または2連符の繰り返しパターン
付点音、ちょいちょいありますよね(下の黄色部が一例です)。
でも、指はそれぞれ、長さも違うし指の強さも違います。
人差し指や中指は強くて長く、薬指や小指は短くて力も弱いです。
この、指の強さのバランスを整えるのに、付点のリズムパターンは効果的です。
まずは軽快にハ長調で始まるハイドンのソナタ。右手の軽快な旋律に対比するように、左手の伴奏部、3連符が続きます。

※source: https://www.free-scores.com/
冒頭から、まるで指慣らしのように軽快な左手の3連符が連呼します。
このような似た形が連呼する箇所において、その音の粒を揃えるのに、付点のリズムパターンは効果的です。
一般的に、左手は速い動きに疎い傾向が強いです。
特にこのような箇所では、「音がもつれる」「音の粒が揃わない」などの悩みがでがちです。
従って、音の粒を揃えるリズムパターンで練習することで、淡々とリズミカルな伴奏を奏でることができるようになります。

また、この場合は特に、拍の頭は基本的に常に小指です。
小指は、5本の指の中で最も使用頻度が低く力も弱いです。
付点リズムパターンのコツ:
長い音をより長く!交互のリズムに音の長短のメリハリをつけた練習が効果的!
従って、根気よくリズム練習をすることで、他の指で弾くのと大差なく拍子を打てるような感覚を身につけることができます。
3と1に分ける:4連音の繰り返しパターン
なんかあんまり違和感もないし変わらないけど。。。
付点のリズムパターンでは、明確に効果を感じることが難しい場合があるかもしれません。
そんな場合には、音を4つ1纏めにしてみることで、指がもつれる感じの緩和を実感できることも多いです。

例えば2楽章の終盤。右と左の動きが微妙に異なる上端と、右のリズムが遊ぶように変化する下段。
とはいえ左手は淡々と伴奏的な16分音符を奏で続けます。
このような箇所では「音の粒が揃わない」、「右のリズムの変化につられてしまう」などの悩みになりがちです。
従って、音の変化を強調するリズムパターンで練習することにより、力まず淡々と奏でることができるようになります。

リズムパターンの練習の際、特に鍵盤から離すとき、通常よりも指を付け根から上げることを意識します。
どのパターンの連符になっても指を素早く動かせることを意識することで、指依存のクセをなめらかに緩和できます。
4連符はどうしても拍の頭に意識が行きがちです。
とはいえ、この場合の左手はあくまで伴奏です。
旋律を引き立て、目立たず淡々と、粒の揃った音を奏でることで、左右のバランスは、格段に美しく整います。
4連符リズムパターンのコツ:
長い音をより長く!連符音は指を鍵盤から離す感触を意識した練習が効果的!
また、特に後半部は右手の旋律のリズムが絶妙に都度変化します。
自然に淡々と引き続けられる左手の指の感覚を捉え、つられず、存分に、右手の旋律の変化を楽しみましょう。
スタッカート:音域移動と手首の感覚を繋ぐパターン
スタッカートって、指の練習になるの?思いますよね。
このリズムパターンは、パラパラ音階的に鍵盤を移動するなど、音の粒のムラが目立ちがちな箇所で取り込むと効果的です。
つまり、リズムをつける付点音や3連音と逆に、音の粒を揃えるためのリズムをつけないアプローチです。

例えば第1楽章の中間部、それまでリズミカルに拍を奏でていた旋律部が表情を変え、左手の3連符に取って代わります。
そしてさらに、締めくくりのようにパラパラと軽快に鍵盤を駆け巡る箇所に繋がります。
鍵盤を上下に駆け巡る箇所の演奏には、指くぐりと手首の動きが音の粒を大きく左右します。
従って、鍵盤の上下の動きが大きな箇所の練習では、一度空いている方の手で手首を固定してみましょう。
そうすると、なんと!!手首の上下変動を少なくしつつも、無理のないズムーズな腕使いをより自然に体感できます。
スタッカートリズムパターンのコツ:
手首に着目!無駄に上下を防ぐため、空いている手で手首の高さを固定する練習が効果的!
スタッカート練習を丁寧にすることで、「指がもつれる」「音の粒が揃わない」などの悩みを解決することができます。
速度を落とす:ややこしい音並びをテヌート緩和するパターン
いつもすんなり弾けない、、、そんな箇所に悩むこと、ありますよね。
すんなり弾けない箇所の特徴にはいくつか傾向がありますが、一概に音運びの変化が盛んな場合に起こりがちです。
そんな場合は、まずは速度を落としてすんなり弾けるようにおさらいすることで、指づかいを馴染ませることができます。

例えば第3楽章の冒頭部、付点がふんだんに交差するリズミカルな箇所でみてみましょう。
軽快にサラッと、左手の付点がつらつらと並んでいますよね。音並びも、同じ型の繰り返しで順ぐり降りてくるパターンです。
音の推移が高低にわたる場合、指くぐりなど、指遣いがスムーズさを左右します。
この場合は、順ぐり問題なく降りてこれるよう、親指の使い方がキーになるとして「1」が指示されています。
従って、親指の使い方に注意してゆっくり指慣らししてみましょう。
一概に、速い速度で弾けない箇所は、ゆっくり弾いても初めはつっかえることが多いです。
従って、まずは焦らずテンポを落とし、スムーズに弾きこなせる指の動きをおさらいしましょう。
速度を変えるというリズムパターンのコツ:
指づかいに着目!鍵盤の推移を可能にする指慣らしのアプローチが効果的!
そして、まずは指づかいに意識をかけなくて良いくらいサラサラ弾けるようになるまで繰り返します。
音域をラク〜に行き来できるよう弾きこなすことで、左右で合わせた時にも無理なく引き切ることができるようになります。
リズムを抜く:指づかいを音並びに慣らすパターン
リズムを抜く!どういうこと!?怪訝に思いますよね。
これは、装飾音を考えてみるとわかりやすいです。
左右のタイミングもさることながら、そもそもどう弾くの!?的な怪しさがあるのではないでしょうか。

例えば第1楽章冒頭部のサビ、ノってきた感と共に、遊ぶように装飾音が連続しています。
とはいえ、拍合わせを意識することにより、装飾音の粒がないがしろになってしまう傾向は強いです。
従って、装飾音を通常の音のようにしっかり丁寧に弾き、指運びを再確認します。
そうして、指運びがすんなりきたところで、リズムに戻します。
リズムをなくすパターンのコツ:
音の存在感に着目!音並びに着目してしっかり弾いてみるアプローチが効果的!
その他、音飛び移動の激しい箇所などの感覚を掴むのにも、リズムを抜いたパターン練習は効果的です。
このように、埋もれてしまいちな音を敢えて音運びと捉えることで、飾り音にも均一的存在感を持たせることができます。
音を抜く:フレーズの軸にフォーカスするパターン
音を抜く!?かなり意味不明ですよね。
これは、音の動きを意識的に俯瞰することで、解釈はしやすくなります。

例えば第1楽章中間部、華やかな右手がコロコロ奔放に、そして微妙に音を変化させて推移する箇所があります。
とはいえ、よーーーーくみてみると、同じ繰り返しの箇所(赤部)や、音が移動しても不動の音(黄色部)が混入しています。
つまり、大枠だけを端的に捉えられるよう略化してみましょう。
軸になるグループのみ抜き出してみると、青部の軸となる推移が鮮明に浮き立ってきます。
音を抜くというリズムパターンのコツ:
繰り返しは無視!奔放に見える音の推移を楽しんで軸となるフレーズを際立たせるアプローチが効果的!
旋律を敢えてシンプルに抜き出すことで、曲の中の一部として旋律を捉えることができるようになります。
さらに、指の動き把握により、音遷移の激しく見える箇所の中にも、統一感を見出すことができるようになります。
和音にする:手の形を指の位置に落ち着けるパターン
そしてまさかの究極、バラバラの音をまとめてしまおうパターンです。
音は、単音で並んでいると統一感なく見えますが、拍で纏めてみると、整った美しい和音になることは多いです。

例えば第1楽章冒頭部中間、左手のアルペジオ的3連符が次への展開を仄めかす箇所をあげてみましょう。
さらにこの場合、2回、または4回ずつ、同じ3連符が連呼しています。
この音遷移、敢えて和音にまとめてみることで、音調の変化を体感しながら整理できるようになります。
いかがでしょうか。パラパラに見えていた音がまとまり、盛り上がり感を体感できたのではないでしょうか。
和音を創造するリズムパターンのコツ:
旋律感に着目!メロディを小節レベルで捉え、フレーズを意識した表現に膨らませるアプローチに効果的!
和音を通して「色推移」を掴むことにより、次に意識を向けながら演奏することが可能になります。
つまり、曲風とその遷移を俯瞰的に捉えることで、曲全体への表現力を大きく飛躍させることができます。
まとめ:部分練習にまつわるリズムパターンのコツとは
これまで、リズムパターンと、効果の期待できる箇所の特性を解説してきました。
・付点:似た形が連呼する箇所において、音の粒を揃えるのに効果的!長い音はより長くを意識しよう
・3対1:指がもつれる、別の手につられがちな4連符を淡々と奏でるのに効果的!長い音は長めを意識しよう
・スタッカート:音階的に音域上下を移動する箇所の音の粒を揃えるのに効果的!手首の高さを固定しよう
・テヌート:音運びの変化が激しい箇所への慣れに効果的!指づかいに着目してラク〜に弾けたらテンポを上げよう
・リズム無視:つっかえやすい拍合わせや高低の移動音域が広い場合に効果的!そもそもどう弾くかに傾聴しよう
・抜粋:弾き直しがち、常につっかえがちな箇所をスムーズに移動するのに効果的!大枠の傾向を捉えよう
・和音:似た形で移動するアルペジオなど、指がもつれがちな箇所に効果的!フレーズを意識した推移を捉えよう
このように、リズムパターンには、さまざまなパターンがあり、効果を見込める箇所にも適合性があります。
その他、そもそも「音とりできない」「左右が合わない」場合は、まず片手練習から試みるのが効果的です。
さらに、全体的な曲の表現や安定的テンポ感を図るには、メトロノームを取り込むことも効果的です。
適切な箇所に見合ったリズムパターンを取り込むことで、効果を実感できるまでの時間は、激的に改善できます。
ぜひ、あなたが演奏に悩む箇所の特性合ったリズムパターン、今日から取り込んでみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。